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「ホシクズの掃除屋」

フェスリア

フェスリア狂想曲第6楽章「ホシサガスモノ」

Original

5.10.2023

フェスリアの 遠い遠い空の彼方 夜の明けない星空の世界。

そこで、世界中に散らばったホシクズを集めて回る一人の少年がおりました。

 

彼の名はアルファルド。

大きな籠を背負って放浪する彼は「ホシクズの掃除屋」として知られ、

本当の名で呼ばれる事はありません。

何故なら誰も彼を呼ばないから。

何故なら誰も彼に構わないから。

 

掃除屋には一つ「夢」がありました。

それは、いつかホシとお友達になること。

物言わぬホシクズではなく《ヒカリ》と《想い》を宿したホシに触れてみたいと。

ホシとヒトは友達になれる事を、彼は知っていました。

しかし、彼がひとたびホシに触れれば、乾いた悲鳴を発してそれは砕けてしまうのです。

何度やっても、ホシが彼の願いに応える事はありませんでした。

いつか誰かがこうしていたのを見たはずなのに。

ホシを砕く度に掃除を繰り返す。

やがて彼の籠はホシクズでいっぱいになりました。

そんな事を何百年も続ける内に、ひとりぼっちでいることにも慣れてしまいました。

けれど時に思うのです。

「もうひとりぼっちはいやだ」と。

 

彼の名はアルファルド。

この世で最も無知で、この世で最も孤独なもの。

 【アルファルド/Alfard】

うみへび座の2等星。

橙色に光る星で、目立って明るい星では無いが、うみへび座周辺には暗い星で構成された星座が多い為、比較的見つけやすい星である。

周囲に明るい星がないことから アラビア語で「孤独なもの」という意味を持つ名前をつけられた。

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