フェスリア

フェスリア狂想曲第６楽章「ホシサガスモノ」

Original

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3.20.2023

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それは静かな夜だった。

星のさざめきが聴こえてくるような静寂を、音も立てず切り裂いたのは、一筋の青い光だった。

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目も眩むような美しさだったのを覚えている。

程なくして、僕達はあるものを失った。

まるで全てを失ったような夜だった。

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全ての天使《エルマリア》は主を失い、契りは黄金色に溶かされた。

全ての民は主を失い、悲しみにくれた。

 

青い星が美しい尾を引き、十字の光を放つ時、それは夜が災厄を齎す合図だという。

僕らはその光を「グランド・クロス」と呼んだ。

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【グランド・クロス】

西洋占星術において、黄道十二宮上で四つの惑星が十字型に並ぶ配列を指す。

占星術上の意味としては「凶座相」を意味するとされ、この十字を持って生まれた人は波乱に満ちた人生を送る事になるのだと言う。

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